2018年9月26日

「ever」 の意味と使い方







ever の意味




(1)  at any time (どの時点かで・どの時点でも)
(2)  always (いつも・常に)

まずは、at any time の意味の場合を見ていきましょう。
(※あくまで at any time の意味であるというだけで、ever の代わりに at any time を使えるわけではありません。)



(1) ever = at any time



この ever が使われるのは

疑問文
否定文
比較文
if文

です。

平叙文では (1) の ever = at any time の意味では基本的に使われることはあまりありません。
平叙文で使われる場合は (2) の ever = always の意味が多いようです。

それではそれぞれの用例を見ていきましょう。



疑問文での ever の意味と使い方



Have you ever been to Tokyo?
これまでに東京に行ったことはありますか?

これは、現在完了形を習うときにきっと一度はお目にかかるであろう文ですね。

Have you been to Tokyo?
東京に行ったことはありますか?

この文は現在完了の経験を表すため、このように、仮にeverがなくとも「行ったことがあるか?」ということは聞くことができます。
しかし、ever があることで「これまでに」という意味合いが生まれてきます。

Have you ever been to Tokyo?

こちらを、at any time の意味に重点を置いて訳してみましょう。

あなたは、どの時点かで東京に行ったことがありますか?

あなたは(複数時点で行ったことがあるのかもしれないが)どの時点かで東京に行ったことがありますか?

これによって、「これまでに(これまでのどの時点かで)」という意味合いになるのです。

大事なのは話し手が「どの時点なのか」を知らないということです。


先にも述べたように、別にeverが必須なわけではありません。

私達も日本語で、
「東京に行ったことある?」
「これまでに東京に行ったことある?」
と気分で「これまでに」をつけることもあれば、つけないこともあるでしょう。
文としては、「これまでに」をつけることで「強調」などの意味があるのかもしれませんが、私達はそんなことを特に意識していませんよね。
英語のeverもそんな感覚のようです。


ちなみに
I have ever been to Tokyo.
私はこれまでに東京に行ったことがあります。

この文は間違いです。
ever を「これまでに」と覚えていれば、日本語的にはとても自然ですが、ever は「これまでに」ではなく「at any time」です。

この文だと、「私はどの時点でも東京に行ったことがある。」となり、とてもおかしな文になります。
疑問文の時は、話し手はどの時点なのかを知らないので「ever = at any time(どの時点かで)」を使うのは自然ですが、平叙文では話し手はどの時点なのかを知っているはずなので「at any time = どの時点かで」ではなく「at any time = どの時点でも」となりますが、どの時点でも行ったことがある、というのはもはや住んでいますよね。
日本語的にも変だということが分かると思います。
なのでこの場合「ever = at any time」を使うのは不自然なのです。

これまでに東京に行ったことがある、と言いたいのなら、

I have been to Tokyo before.

とすべきでしょう。


また、Did you ever ~ ? Do you ever ~ ? という使い方もできます。

Have you ever ~ ? が、「これまでに(これまでの経験で)~したことがありますか?」という意味なのに対し、

Did you ever ~ ? は「一度でも~したことはありますか?」という意味になります。


一方、
Do you ever ~ ? はその人の習慣を尋ねる用法です。
日本語でフランクに言うならば、「~してたりする?」という意味に当たります。


Do you ever go shopping?
買い物に行くことはありますか?(買い物に行ったりする?)

Yes, I usually do once a week.
はい、だいたい週に一回行きます。
No, I rarely do.
いいえ、めったに行きません。

このように、受け答えでは、習慣を聞かれているので、頻度を表す語を添えることが多いです。


否定文での ever の意味と使い方




こちらは not ever (どの時点でも「ない」)の形で使われます。

意味は never と同じになります。
そして、never の方が一般的に使われます。
not evernever の違いは、not ever の方がより強調的だということです。
同じ意味でも、一般的に使われない方を使っているということで、強調の役割を感じることができるのではないでしょうか。


例えば

浮気したことある? という質問に対して

Never! ないよ!
Not ever! ないから!

みたいな違いがあります。
後者の方が焦っている感じがして怪しいですけどね 笑


I have never been to Tokyo.
私は東京に行ったことが一度もありません。

一般的にはこのように、never を使います。
I have not ever been to Tokyo. とはまず言いません。
会話の流れ上よっぽど東京には行ったことがないということを強調したい場合には使うこともあるのかもしれませんが、そもそもそこまで東京に行ったことがないということを強調したいシチュエーションがほとんどないことでしょう。

not ever を使うのは、よっぽど強調したい場合、または、「ない」ことが常識的に信じられない、珍しい、という場合が多いようです。



比較文での ever の意味と使い方





比較文では、ever は日本語の「これまで」「これまでで」という訳がぴったりきます。


This food tastes better than ever!
これまでで一番おいしいよ!

He is studying harder than ever.
彼はこれまでより熱心に勉強しています。

比較級ではこのように、比較級+than ever という形で使われます。
どの時点よりも、という意味なので、最上級と同様の意味合いを持つこともあります。


That is the biggest fish I have ever seen.
それはこれまで見た中で一番大きな魚です。

That was the biggest fish I ever saw.
それはこれまで見た中で一番大きな魚でした。
(※ I had ever seen.では意味が変わります。時制の一致と過去完了の混同に注意です。)

最上級では、「the 最上級+名詞」を後ろから修飾する形で ever を使い、「これまで~した中で」という意味になります。



if文での ever の意味と使い方



if文で ever を使う際は、if = 仮定・条件のお話なので、話し手が「どの時点なのか」が分からないため、ever = at any time を使用して、「いつでも」というニュアンスを生み出します。

If you are ever in Japan, give me a call.
日本に来たら連絡してください。
(いつ来るかは分からないけれど、日本にきたらその時点でいつでも連絡してください。)


「いつでも」と言われると、whenever を使うことが思い当たる方もいらっしゃるかと思いますが、

Whenever you are in Japan, give me a call.

この文は
「日本に来たら毎回連絡をください。」
という意味になります。


おまけ


ever since もよく使われるのでご紹介しておきます。

since は「~以来」という意味です。
それに ever = at any time を添えることで、「~以来どの時点でも=~以来ずっと」と、since を強調することができます。

I haven't studied English ever since high school.
私は高校以来ずっと英語を勉強していません。



(2) ever = always




ever always の意味で使うのはLONGMAN辞書には formal と書かれているのでやや堅い表現のようです。

堅くない表現としては、

ever after その後ずっと
as ever いつものように、いつもどおり

のような、イディオムでお目にかかることが多いと思います。

I think they'll live happily ever after.
彼らはその後ずっと(いつも)幸せに暮らすことでしょう。

As ever, he was late.
いつものように、彼は遅刻しました。



では、堅い表現の方の ever の意味と使い方 について見ていきます。


Ever the optimist, he gave her another chance.
彼は(いつも)楽観主義なので、彼女にもう一度チャンスを与えた。

これは、
He was always an optimist, so he gave her another chance.
ということを表しています。

ever 過去も未来もずっと、という意味があるので、この場合、その人の生き方や生涯に渡る性質・性格などを表しているのです。


同じ表現でも、

Ever the student, he studies until late at night.

こちらは、単にその人の性質を表しているわけではありません。

意味は、
模範的な生徒になろうと、彼は夜遅くまで勉強しています。
と、なります。

これは、文脈での判断になると思いますが、

ever the 名詞 は、

(a) always a 名詞 ←その人の性質
(b) ideal a 名詞 ←「名詞」の理想的な姿

を、表します。

ever には普遍性があるので、普遍的な「名詞」の姿、つまり、今回の Ever the student だと、模範的な(理想的な)生徒の姿を表します。
文脈によるので、Ever the student でも (a) の意味で使うこともあります。

これはとても難しい問題なのですが、(b) の使い方で、Ever the doctor、などとは言いません。
なぜなら、理想的なdoctor(doctorがどうあるべきか、模範的なdoctorとは?)という定型的な概念が一般的に普及していないからです。
これは文化の問題なので、どの名詞には理想的な姿の概念があるのか、ということはしばらく英語圏で暮らしてみないことには分からないものなのかもしれません。



また、類似の表現で、ever + 形容詞 が使われることもあります。

Originality, ever prized, is increasingly scarce.
独創性(これは常に評価されるものであるが)はますます減ってきています。

これは、
Originality, which is always prized, is increasingly scarce.
ということを表しています。



また、
ever-changing/growing/increasing など、
ever-~で、「常に(絶えず)~し続ける」という意味の形容詞になるものもあります。
論文や記事の見出しなどで使われるような堅い表現のようです。

Phishing is an ever-increasing problem for mobile users.
フィッシング詐欺は、モバイルユーザーにとって絶えず増え続ける問題だ。



以上、ever の意味と使い方についてでした。


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